~ZATUBUN~第18回 『中川 翔子という特異なる歌い手』
~ ZATUBUN ~ 第18回
エッセイ『中川 翔子という特異なる歌い手』
私が中川 翔子の存在に注目するようになったのは、今から2年程前の事でした。
彼女のブログが、一般世間にも知られるようになりだした、丁度そんな頃でした。
それまでは私も彼女の事を、何百といるグラビアアイドルの内の一人としてしか認識
していませんでした。
彼女が” 特異な歌い手” である事など当然、知る由も無く・・・

SONY MUSIC , Watanabe Entertainment
そんなある日、ちょっとした興味本位で彼女のブログを覗いてみたところ、その2ch
的(あるいは、そのモノ)な表現と、異常な頻度での更新に驚き、そして瞬く間に私は
彼女のブログに惹きつけられました。
ただし、この時点ではまだ、単に “非常に面白いブログを書くアイドル” という感覚
でしか彼女を捉えておらず、彼女が歌手としてCDデビューをしている事には気付
いていたものの、“どうせ、アイドル歌手だろ” 的に歌を聴いてみようとまでは思って
いませんでした。
ところが、不思議なもので彼女のブログを頻繁に見ていると、そのブログに煽られる
ように、彼女の歌も聴いてみたい衝動に駆られるようになりだした・・・丁度そんな時、
偶然観ていたテレビで彼女の曲を耳にすることが出来たのです。
曲は、彼女の最初のスマッシュヒットとなった「空色デイズ」。
元々、ハードロック/ヘビーメタル系の曲を好む私は、音が濁る程に歪んだギター
のリフで始まるロック系の曲を目の当たりにして、まずは楽曲を気に入り、そして少
しぎこちないながらも違和感なく上手く歌いこなしている彼女に驚きを覚えました。
ちゃんと歌えるんだぁ・・・
なるほど、これが世間が “マルチタレント” と称するゆえんか・・・
そんなふうに、妙な納得をしたのを覚えています。
それから、インターネットを使ってカバー曲も含む何曲かの楽曲を聴いて、どんな
楽曲でも歌いこなす彼女の能力に驚かされた。
時に「空色デイズ」のよなハードなロック系ナンバー、時に典型的なアニメソング、
はたまたデビュー曲の「Brilliant Dream」のようなテクノ系のナンバー、ネット上
では、松田 聖子の完全なアイドル歌謡を喜々として歌い、アニソンのカヴァーの
中には川本真琴が歌っていた難解な「1/2」まで・・・
これだけ、多種多様なジャンルの曲を歌いこなせる中川 翔子って、なんなんだ!
いままでアイドルと呼ばれるタレントの中で、これだけ器用に歌を歌える人がいただ
ろうか? いや、既にこれはもうアイドルというよりはアーティストあるいは職人歌手
の域のシンガーなのではないか・・・
そんな事を思いつつ、ブログでのサブカル的な中川 翔子とは別に、シンガー中川
翔子も注目してみる事にした。
昨年末の某国営放送の紅白歌合戦では、直前の “黒船” が作ってしまった引き気
味のステージで、場の雰囲気を一変させて盛り上げる働きで貢献していた。
その際の、亡き父の遺志を継ぐその雄姿に、恥ずかしながらテレビの前で一人涙し
てしまいそうになった。
その紅白での活躍もあり、今年はアタマからライブツアーなど歌手としての活躍が
続きテレビでも頻繁に活躍する彼女。
そんな彼女を見ていて・・・いや、彼女の歌を聴いていて、ふとある事に気付いた。
多様なジャンル、曲調を歌いこなす中川 翔子。
ところが、その曲たちを聴いてみると、ジャンルや曲調によって彼女の歌い方はもち
ろん、どうも声の感じそのものが曲の雰囲気によって違っている事に気付いたのだ。
まるで、声優が役によって声を変えるがごとく・・・
つまり彼女、中川 翔子は、曲によってキャラクターを使い分けながら歌っているよう
なのだ。
ただし、声色そのものを変えてしまったのでは “正体の無い歌手” になってしまいか
ねないのだが、彼女は基本となるベースの声は残しつつ、声の響きの部分のみを上
手くコントロールしているようなのだ。
つまり、曲のカラーによって、大まかに分けるとメジャー系の響きの声と、マイナー系
の響きを持つ声を使い分けているのだ。
なんだ、それだけ? と、思うかもしれないが、声の響き方をコントロール出来るシン
ガーなんて世界を見渡しても恐らくほとんどいないだろう。
歌声は、先に書いたように大まかにわけてメジャー系の響きとマイナー系の響きの
二つに分かれ、それらが “明るい声” と “悲しい(あるいは、暗い)声” のように聴
こえる。
大抵の人間は、プロ・アマ問わず、そのどちらかの声でしか歌う事ができない。
これが、俗にいう “持って生まれた声” というやつだ。
かの、ディープパープルのイアン・ギランは、全盛期の頃はマイナー系の響きを持っ
た声をしていたのだが、10年以上隔てての再結成の際には、何故かメジャー系の
声に変ってしまっていて、以前の声をイメージして作った楽曲がいまひとつしっくりこ
なかった、などというエピソードもある。
このように、プロの偉大なシンガーですら、声のキャラクターをコントロールする事は
困難なのだ。
中川 翔子の場合、会話など普通に話している際の声からすると、ベースとなる声
は、どちらかというとマイナー系の響きの声のようだが、「Brilliant Dream」や、
「shiny GATE」で聴ける声は、明らかにメジャー系の声となっている。
中には、一つの曲の中で両方の声が出てくるパターンもあるようだ。
もしかしたら、中川 翔子本人は、そんな事なで意識せずに与えられた、あるいは
歌いたい曲を歌っているだけなのかもしれないが・・・
歌い手として、 “売れる” 為の要素は、歌唱力や作曲能力・センス以上に、歌のメイ
ンとなる歌声の要素が大きい。
中川 翔子にとって、声によるキャラクターの演じ分けは、間違いなく彼女にとって
大きな武器となることでしょう。
3ヶ月連続リリースの最後となる、10月発売の新曲は、松本隆×筒美京平のコンビ
によるバラードらしい。
“特異なる歌い手” と “80年代歌謡、黄金チーム” の組み合わせによる化学反応
が今から楽しみだ。
中川 翔子。 “特異なる歌い手”
これからも、まだしばらく中川 翔子の活躍からは目が離せそうにない。
by 陳 笈
エッセイ『中川 翔子という特異なる歌い手』
私が中川 翔子の存在に注目するようになったのは、今から2年程前の事でした。
彼女のブログが、一般世間にも知られるようになりだした、丁度そんな頃でした。
それまでは私も彼女の事を、何百といるグラビアアイドルの内の一人としてしか認識
していませんでした。
彼女が” 特異な歌い手” である事など当然、知る由も無く・・・

SONY MUSIC , Watanabe Entertainment
そんなある日、ちょっとした興味本位で彼女のブログを覗いてみたところ、その2ch
的(あるいは、そのモノ)な表現と、異常な頻度での更新に驚き、そして瞬く間に私は
彼女のブログに惹きつけられました。
ただし、この時点ではまだ、単に “非常に面白いブログを書くアイドル” という感覚
でしか彼女を捉えておらず、彼女が歌手としてCDデビューをしている事には気付
いていたものの、“どうせ、アイドル歌手だろ” 的に歌を聴いてみようとまでは思って
いませんでした。
ところが、不思議なもので彼女のブログを頻繁に見ていると、そのブログに煽られる
ように、彼女の歌も聴いてみたい衝動に駆られるようになりだした・・・丁度そんな時、
偶然観ていたテレビで彼女の曲を耳にすることが出来たのです。
曲は、彼女の最初のスマッシュヒットとなった「空色デイズ」。
元々、ハードロック/ヘビーメタル系の曲を好む私は、音が濁る程に歪んだギター
のリフで始まるロック系の曲を目の当たりにして、まずは楽曲を気に入り、そして少
しぎこちないながらも違和感なく上手く歌いこなしている彼女に驚きを覚えました。
ちゃんと歌えるんだぁ・・・
なるほど、これが世間が “マルチタレント” と称するゆえんか・・・
そんなふうに、妙な納得をしたのを覚えています。
それから、インターネットを使ってカバー曲も含む何曲かの楽曲を聴いて、どんな
楽曲でも歌いこなす彼女の能力に驚かされた。
時に「空色デイズ」のよなハードなロック系ナンバー、時に典型的なアニメソング、
はたまたデビュー曲の「Brilliant Dream」のようなテクノ系のナンバー、ネット上
では、松田 聖子の完全なアイドル歌謡を喜々として歌い、アニソンのカヴァーの
中には川本真琴が歌っていた難解な「1/2」まで・・・
これだけ、多種多様なジャンルの曲を歌いこなせる中川 翔子って、なんなんだ!
いままでアイドルと呼ばれるタレントの中で、これだけ器用に歌を歌える人がいただ
ろうか? いや、既にこれはもうアイドルというよりはアーティストあるいは職人歌手
の域のシンガーなのではないか・・・
そんな事を思いつつ、ブログでのサブカル的な中川 翔子とは別に、シンガー中川
翔子も注目してみる事にした。
昨年末の某国営放送の紅白歌合戦では、直前の “黒船” が作ってしまった引き気
味のステージで、場の雰囲気を一変させて盛り上げる働きで貢献していた。
その際の、亡き父の遺志を継ぐその雄姿に、恥ずかしながらテレビの前で一人涙し
てしまいそうになった。
その紅白での活躍もあり、今年はアタマからライブツアーなど歌手としての活躍が
続きテレビでも頻繁に活躍する彼女。
そんな彼女を見ていて・・・いや、彼女の歌を聴いていて、ふとある事に気付いた。
多様なジャンル、曲調を歌いこなす中川 翔子。
ところが、その曲たちを聴いてみると、ジャンルや曲調によって彼女の歌い方はもち
ろん、どうも声の感じそのものが曲の雰囲気によって違っている事に気付いたのだ。
まるで、声優が役によって声を変えるがごとく・・・
つまり彼女、中川 翔子は、曲によってキャラクターを使い分けながら歌っているよう
なのだ。
ただし、声色そのものを変えてしまったのでは “正体の無い歌手” になってしまいか
ねないのだが、彼女は基本となるベースの声は残しつつ、声の響きの部分のみを上
手くコントロールしているようなのだ。
つまり、曲のカラーによって、大まかに分けるとメジャー系の響きの声と、マイナー系
の響きを持つ声を使い分けているのだ。
なんだ、それだけ? と、思うかもしれないが、声の響き方をコントロール出来るシン
ガーなんて世界を見渡しても恐らくほとんどいないだろう。
歌声は、先に書いたように大まかにわけてメジャー系の響きとマイナー系の響きの
二つに分かれ、それらが “明るい声” と “悲しい(あるいは、暗い)声” のように聴
こえる。
大抵の人間は、プロ・アマ問わず、そのどちらかの声でしか歌う事ができない。
これが、俗にいう “持って生まれた声” というやつだ。
かの、ディープパープルのイアン・ギランは、全盛期の頃はマイナー系の響きを持っ
た声をしていたのだが、10年以上隔てての再結成の際には、何故かメジャー系の
声に変ってしまっていて、以前の声をイメージして作った楽曲がいまひとつしっくりこ
なかった、などというエピソードもある。
このように、プロの偉大なシンガーですら、声のキャラクターをコントロールする事は
困難なのだ。
中川 翔子の場合、会話など普通に話している際の声からすると、ベースとなる声
は、どちらかというとマイナー系の響きの声のようだが、「Brilliant Dream」や、
「shiny GATE」で聴ける声は、明らかにメジャー系の声となっている。
中には、一つの曲の中で両方の声が出てくるパターンもあるようだ。
もしかしたら、中川 翔子本人は、そんな事なで意識せずに与えられた、あるいは
歌いたい曲を歌っているだけなのかもしれないが・・・
歌い手として、 “売れる” 為の要素は、歌唱力や作曲能力・センス以上に、歌のメイ
ンとなる歌声の要素が大きい。
中川 翔子にとって、声によるキャラクターの演じ分けは、間違いなく彼女にとって
大きな武器となることでしょう。
3ヶ月連続リリースの最後となる、10月発売の新曲は、松本隆×筒美京平のコンビ
によるバラードらしい。
“特異なる歌い手” と “80年代歌謡、黄金チーム” の組み合わせによる化学反応
が今から楽しみだ。
中川 翔子。 “特異なる歌い手”
これからも、まだしばらく中川 翔子の活躍からは目が離せそうにない。
by 陳 笈
by endow2004jp | 2008-09-18 17:15 | ZATUBUN





















